#竹内流備中伝 #古武術 で 踵を揃えてあげる意味 2020.9.26
剣棒術、剣術の礼を行う際に、踵を揃えて、爪先を広げ僅かに踵をあげ、背筋を整える。
竹内流備中伝の礼法である。
背筋を立て重心を高くすることで、
相手に大きくみせるという意味もあるが、
姿勢を整えることに大きな意味がある。
剣棒の礼
斎手(剣術)の礼
礼法ということで形をなぞらえることに意識をおくことも大事であるが、その身体操作に何の意味があるのかを理解してみようとすると違った観点が見えてくる。
矢田部英正先生の「からだのメソッド」(p36)に、ターンアウトの説明がある。
脚の骨をまっすぐに配置し、股関節から上手にターンアウトできると、骨盤の裏側(仙腸関節)に強い緊張感が生まれます。これは、動作の支点を「骨盤の中心」に定めるひとつの重要な指標になります。
体軸を整えて、重心を高く保ったまま膝を抜くと上体の力が相手に伝わり易くなる。踵をあげることによりそうした体軸を作ることがもうひとつの大きな意味合いである。
気を付けの姿勢で、気を付けられるか?
「気を付け」の姿勢は一見良さそうに見えるが、背骨がまっすぐになり、胸を張ることで「反り腰」気味になるため、上からの力を受け止めきれず、わずかな圧でも体が後方に倒れてしまう。↓↓↓
下の写真を比べて見ると、左は体軸が1本通っているが、右は体軸が2軸にずれている。詳しくはこちらの記事を読んでみてください。
踵を軽く上げ、姿勢を立てることにより、足底の中足骨やリスフラン関節に軸がのり、体軸が1本に整えられる。
羽生結弦選手がリスフラン関節を痛めた時期があるが、体軸を作りつつ、高く跳び、回転するには、この踵をあげ爪先立ちとなる動作が必要になる。
足底骨やリスフラン関節以外にも、足底筋を痛めて、足底筋膜炎になる場合などもあるため注意が必要。
竹内流備中伝の礼の姿勢や古流剣術の撞木足、バレエのアンドゥオールに共通するのは、股関節、太腿を外旋させ、重心移動をスムースに行う点だ。人により、股関節、膝関節、足首などの可動域が異なるため、
形から理解するよりも、身体操作の意味から自分の体を通じて理解するアプローチの方がしっくりする場合がある。
立つという何気ない身体操作も
深めていくと面白い。
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