満足すれば衰える 2020.3.1
小具足腰之廻 両手取 表型 は、
左右の△から両手首を取られた状況から中央の◯が脱する型である。
備中伝では、右の△を蹴り離し、左の△を倒す手順をまず稽古する。その際、相手の力の入れ方により、身体を右に寄せる方法と左に寄せる方法がある。
また、左の△を蹴り離してから、右の△を倒す手順もあるため、その場合にも、身体を右に寄せる方法と左に寄せる方法がありうる。
水が勢いに任せて流れるが如く、自在に対処する必要がでてくる。型を覚えるためには、基本型を知ることが大事であるが、その理合がわかれば、自在に型を使えるところまで型を進化させる考え方が必要になる。どこまでも工夫を重ねることが大事だと改めて認識した。
技は思想に基づくものという考え方がある。竹内流の技の基本の考え方のひとつである、絡めて討たずというものは、戦乱の世を潜り抜けて、自他を活かすという発想である。
また、竹内流では、人としていかにあるべきかということを自得するように、中国春秋時代の諸子百家の思想も取り入れられており、仁義礼智信や智人勇といった言葉に代表される。
備中伝の養老先生語録にも、孔子、孫子などの影響も見られる。古典の教えの中には、現代でも普遍的に活用できるものが多い。
孔子の影響をうけ論語と算盤を記した、渋沢栄一の言葉に次のものがある。
すべて世の中の事は、
もうこれで満足だという時は、
すなわち衰える時である。
常に学び考え続けることが大事である。
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