備中竹内流 寸鉄を帯びる 31.3.22
長年、新風館で稽古した福岡さんが来月4月に故郷の和歌山に転居される。名残を惜しむ有志から鉄扇を記念にお贈りしたいとの話が起こり、気の早い1人が白地の鉄扇を買って来てくれた。
備中竹内流には、寸鉄を帯びるという教えがある。小太刀などの得物が持てない場合は、手近な鉄製品(鉄扇や火箸、煙管など)を使って防刃に備えるという心得。その「備えよ常に」という発想は、現代でも広く転用できる。
また、備中竹内流では、短い得物の長さは、小具足腰之廻で使う小太刀、十手、鼻捩、四半棒、鎖鎌などは1尺二寸から1尺五寸の長さとなるため、
同じくらいの長さのものがあれば、
代用できる。
なお、備中竹内流には扇面目録というものがある。稽古し習得した型の名前が書かれたものである。稽古した人にとっては、稽古を振り返るきっかけになり感慨深いものだ。今回この鉄扇を扇面目録にして記念の品にする事にした。
永年、様々な武道も研鑽しながら新風館で備中竹内流や竹内三統流などを稽古した福岡さん。
福岡さんはフィールドワークで備中竹内流を紹介する数々の資料も作ってくれた。
そんな福岡さんのご健勝とご多幸を祈念したい。
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