#斎手剣術 #居合抜刀術 #薙刀術 #saidekenjutsu #iaibattoujutsu #naginatajutsu
○ 斎手(剣術)
流祖竹内中務大輔久盛は源氏に家伝の剣術を修行していたところ山伏から伝授された技を取り入れ独自の剣術を編み出した。この剣術を斎手と称する。
剣を使う手は清く穢れの無い人の手でなければならぬと云う意味が斎手の名称に込められている。
口斎手などでは、太刀対太刀、前斎手や中斎手では太刀対短刀、奥斉手は鉄扇や十手あるいは無刀で太刀をさばく術となります。その他、短刀対短刀、太刀対長物、素手対太刀などの多くの技があります。太刀は二尺四寸(刃渡)を常寸とする。
中世の太刀の用法も含み、組太刀には体術の要素も多く含まれ、刀を手放して当身をいれ、蹴り、投げ、関節を極めるという流れに変化する形もあり、体術と平行して稽古します。
また、開祖久盛、二代目久勝、三代目久吉は小柄であったため、その体躯を利用して跳躍したり(「飛足」)、小具足腰之廻のように小太刀を用いたり、組討に変化する形もある点が特徴です。道歌に「かざしたる太刀の下こそ地獄なれ、踏み込んでみよ奥は極楽」という歌がその一端を表しています。
飛鳥(飛跳)
表斉手之型 十二ヶ条
真向面斬、右面斬、左面斬、小手斬、双手突、片手突、右胴斬、左胴斬、左腰車、右腰車、足斬払、大極首斬
裏斉手之型 十二ヶ条
面返斜剣、面返平受、面返流受、面返羽返、小手返斜剣、小手返平受、小手返羽返、突返巻落、突返入込、胴返斜剣、胴返流受、胴返腰車
口斉手 六ヶ条
一心一刀之事、切返之事、左剣之事、提刀之事、柄入之事、鍔競之事
口斎手
前斎手 六ヶ条
流受 切返 擦込 巻落(其場) 飛詰
●中斉手 六ヶ条
太刀落之事、責落之事、逆手投之事、小手取之事、四ツ手之事、清眼捌之事
●奥斉手五ヶ条
隠剣之事、陽剣之事、上入之事、下入之事
●極意必勝五ヶ条
鎧組之事、突手之事、身之剣之事、鷲落之事、惣巻理之事
○ 居合抜刀術
刀を抜き打ちにして敵を討つことを目的とした形である。抜き打ちの一瞬を大切にすることから抜刀術ともいう。片手で剣を抜き付けた後の、柄を両手で握った場合の攻防の変化は剣術と同様であるため、斎手と平行して稽古する必要があります。
初心者は安全な模擬刀を使用して稽古しますが、日本刀に関する一定の取扱いや見識を持ち、師範から真剣の使用を許された方(三段以上の方)は、真剣を用いて稽古します。体の動きと呼吸を合わせることにより、動きの緩急が自在にできるようになるほか、呼吸や精神などの内面観察を通じて、健康・体力維持ができるため、女性や高齢者にも稽古を始めやすいと思われます。
また、日本刀は世界に誇るわが国独特の武器、神器であり、美術品である。刀剣の取扱いを通じて、日本の伝統的精神文化を学ぶこともできます。
【剣の運用例<真之形>】
抜付においては、手掛りをして、正座から左膝を立てた段階で、刀は3分の1ほど抜けており、抜刀と同時に足を飛違い正面の仮想の敵の首を斬る。
打下を行う前段として、切先から上段に振りあげる途中で左手を柄に添えて握 り、天を突くように振上げた刀を振り下ろす際には、45度以上倒れることがない よう、真向面斬りに水平線まで切下ろす。なお、打下ろす際には樋入りの居合刀で あれば、羽音がするように鋭くかつ刃筋を立てて打ち下ろしすこと。また、振り下ろし たら両手を下腹に引きよせるようにして引切りにすること。
血振を行うにあたっては、切下ろした刀を直ちに上段に振上げ、右八双構えに 移り、相手の倒れる方を見ながら刀を大きく右廻りにゆるりとまわし、正面より 少し右の位置で切先をとめ、鍔が膝前に出ないように刀を左手のみで持ち、右手で 柄を一回転させて右拳で左柄手の小手をうつ。
納刀については、右逆手で柄を握り、左手の拇指と人差指で鯉口をつかみ(鯉口が隠れるくらい覆うように握ります)、切先を左側へ廻して納刀します。
━ 鯉口とは鞘の入り口部分の名称です。鯉が口を開けた様に見えるためこう言われます。
残心は、倒れた相手をみながら若干間をおき、三指(親・人差・中指)で柄を縁 から頭まで擦って柄頭の右にあて右手で合掌するように二回撫で九字を切ります。両手をゆっくり両股の付け根に添え軽く置き、眼は「遠山の目付」に戻し、三呼吸して次の形を行います。
この真之形には、大事なポイントが凝縮されているため、この注意点をひとつ ひとつ確認して体になじませることが、大切な作業になります。
正確な形の教授を通して、呼吸法や目付け、手の内等を指導者に見てもらい、手直しをしてもらうことが大切である。とくに初心者のうちは我流になりがちであるほか、後になればなるほど直しにくい癖がつきやすいので十分基礎を習得する必要があります。
抜き付け時の手掛かりや納刀時の鯉口の扱いには注意して稽古して下さい。慣れないうちは大刀のみで居合抜刀術の稽古をしても構いませんが、高段者は小太刀を差して、二本差しで稽古を行ないます。
備前刀・備中刀
室町時代までの日本刀(古刀)の三大生産地は、大分・豊後高田、岡山・備前長船、岐阜・関であるが、備前長船はその地に伝来の技術を今日まで伝えている。
備前長船の一帯は平安のころから鍛冶が盛んで中世には国内最大の刀鍛冶の集落を形成し、数多くの名工たちを輩出してきた土地である。
刀の大生産地であった理由は、吉井川の上流の美作や吉備地方に良質の砂鉄が採れ、玉鋼をつくるタタラ者を通じて材料の供給が容易であったこと、加えて商品経済の基本である流通と市場が結びついたことにある。
とくに、室町期に鍛練された長船と福岡の「一文字派」の古備前が優れ、現存の多くは国宝か重文だという。だが福岡の刀鍛冶はとうに絶え、現在は長船のほんのわずかな刀鍛冶によって伝統が継がれている。
居合(剣法抜刀術)
神前礼 刀礼 帯刀
十九ケ条
真 行 草 小手斬
離斬(のぎぎり)
抜付は前傾斜で前足は鋭角になる。上体が前傾斜する型は、離斬、冠落、陽炎。
冠落 四方斬
付、介錯
稲妻
乱虎
陰陽
陰陽 納刀の際、左手で柄を持ち上げ、右平手で柄を打つ(逆手に持つための柄捌と手捌)。
飛鳥 待伏 付、行合
打返 行違 双者斬 陽炎 極之夲
居合(剣法抜刀術)
神前礼 刀礼 帯刀
備中居合
一、備中伝居合前之型 十二ケ条
置刀 提刀 腰刀 千鳥 四方斬 小車
大車 抜打 見物 大殺 置返 差返
二、備中伝居合中之型 五ケ条
隅取 速抜後打 首打 刀棒 八方乱 附.介錯
隅取
速抜後打
首打 擦違
首打 出会頭
刀棒
八方乱
三、備中伝居合奥之型 十ケ条
1. 柄押離 2.抜懸籠手斬落 3.蹴倒鉢打割
4.負投胴断斬 5.胸取刺 6.手取刺 7.柄当
8.鐺当 9.片手縛 10.両手縛
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<参考>
法令上は「登録証」の付いている日本刀・刀剣であれば、誰でも(段位によらず、美術品として)所有したり譲渡することができます。しかし竹内流では、上記の通り、日本刀に関する一定の取扱いや見識を持つ方に、真剣を扱っていただくこととしています。これは、人のみならず自らを傷つけない取扱いが必要だからです。日本刀・刀剣を所有するのには、猟銃のような「所持の免許」といった警察の許可は要りません。「登録証」は日本刀・刀剣一つひとつにひも付くもので、猟銃のように所持者が取得する「所持の免許」は不要です。
ただし、法律の定めにより、日本刀・刀剣を入手した日から20日以内に「登録証」の記載事項をもれなく記入し、その日本刀を登録した各都道府県教育委員会宛てに住所、氏名(ふりがな)捺印をし、銃砲刀剣類等所有者変更届を郵送する必要があります。なお、刀剣類と同様に古式銃砲も「登録証」の付いているものならば所有、譲渡することができます。また日本刀・刀剣であっても刃長が15センチに満たない物は「登録」の必要はありません。
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薙刀術
薙刀術は基本の素振りが大事です。棒術とは重心や握り、刃筋を意識することなどにおいて様々な違いがあります。
薙刀表之型 八ヶ条
(注)木刀とプラ鞘で薙刀の代用としてます。自宅室内では半棒や四半棒を使うと、手元と足の運びが独習し易いです。
7/8 磯波 薙刀表
薙刀裏之型 八ヶ条
(注)木刀とプラ鞘で薙刀の代用としてます。自宅室内では半棒や四半棒を使うと、手元と足の運びが独習し易いです。
三、薙刀中伝 八ケ条
月影之事
霞之事
撥釣瓶
大車
流車
無双
峯颪
峯返
薙刀(○薙刀、小具足差添、△太刀)
1. 龍尾返
△中段歩み足、○霞構え、左右左と前進、△上下上とうち来るを○歩み足(左右)で退き上下上と鎬受け、○足飛交い執手で撥返し(右下→左上、執手上、刃を左脇下に下げ)、○左足踏み出し足拂△送り足で退く。
2. 虎乱
○左八双構(右足前、左手上)から足を右左右と進め、△中段から○右足を斬る(右足前)。○右足退き鎬で受け、持ち替え廻刀し鉢割り、△平受(右足退き、太刀先左)から左手で鍔元蛭巻部を握り引き右片手面打。○奥棒引合いの如く中腰で虎乱止(左手を△脇下に入れ右手で△右手を取り、○左足は△右足前に踏み出す)。
3. 風暢(kazeage)
○左八双構で待つ、△中段で歩み寄り、左八双から、両者左足出し面打、○鎬受。△左脇に回刀し右足出し右片手陰車で顎切上げ。○左足退き執手受け、○左足出し浦波で△顎を切り上げる。△送り足で退き透かして上段に振り被り、すぐ送り足で○面を切り水月まで切り下ろす。○は浦波で△頭上まで切り上げた刀を返し、送り足で退き△右小手を切る(籠手上で薙刀刃を止める)。
4. 水車(mizu kuruma)
○△中段から○右左右と歩み回刀右手前で面切り、△平受(切先左)から送り足で擦り込み来るを、○回刀、左手前で面切り、△送り足で退き平受、左足後のまま送り足で退き上段に構える。○左脇下から廻して△右脇を切る。
5. 陽炎(kagerou)
○左八双、△上段で歩み寄り、飛交上一下一、△の○左足切を○左足退き執手受け、直ぐに面に返すを、△平受(切先左)から二三歩擦り足で引くと見せて、面打。○右片手で執手を上に柄で受け、柄下を潜り薙刀を放し、左手で△双手を巻き締めて差添(小具足)で止。
6.瀧落(taki otoshi)
○△中段で進む、△面斬を○斜剣で受け、持ち替え右足出し面斬りを、△平受(切先左)し、左手で柄を取引き右太刀で面斬り。○矛縛りで△右手を取り、左足を掛け臥倒し、左膝で柄を押さえ、左手で右手首を取り、右手で小具足を抜き、首を刺し止める。
7.飛燕(hien)
△中段、○霞構えで歩み寄り、上下上と打ち合う。○右足出し順礼の如く△前足を斬らんとするを、△飛んで避け、○刃を返し△着地時に、右足退き左から△足を斬る。△右足外側に太刀の刃で薙刀の蛭巻部を受け、太刀の棟に左足裏を擦り踏み込み、蛭巻部を押さえ、左足前のまま太刀で右より○面を斬る。○身体を低くして薙刀を抜き、執手をあげて左足を退き太刀を受け、左に払い落とし、回刀して右手前に持ち替え、継ぎ足で出て右より腰車に斬る。
8. 大乱
○左差横刀、△中段構のまま、両者左足前に歩み背中合わせになる。
一、○赤子抱き左を突く、
△上段から左に向き面を下まで斬る。
ニ、○向きを変えて右を面斬り、
△左を腰車に斬る。
三、○左に半回転し前方足払、
△前方を左廻りで真っ向面斬り。
四、○前方突、
△右を双手突
五、○右を石突で突き、
△左廻に左を面斬り
六、○右波返、
△そのまま片手陰車で斬りあげ継ぎ足で
歩み陽車で切り下げ
七、○左面斬り
△前方面斬り
八、○△元の背中合わせ位置に戻り、相中
段に構える。
○△が一組となり、多敵に対する陣形。棒術草の型の四方固に通じる型。